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二、三、四・・・きゅう暦?  [うろうろ探訪]

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さて、西国三十三所 九番札所、興福寺 南円堂から東大寺へ回ったお蔭で
奈良再発見の観光は、充実した一日になりました。

最後はどうしても観たかった「二月堂」。
関西では「奈良のお水取りが終ると、春が来る」と言われて、
毎年、ニュースにも二月堂での「お松明」の儀式が映し出されます。
東大寺二月堂、聞きなれたところなのに、観るのは初めてでした。
そうそう3月12日、今晩がちょうど大松明、お水取りのクライマックスです。

二月堂に参る前に・・・

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「四月堂」
正式には三昧堂(さんまいどう)ですが、毎年旧暦四月に法華三昧が行われるので
四月堂と呼ばれるようになりました。
※”三昧” というと、どっぷりつかっている、とか、好き放題、といったイメージが
ありますが、仏教では、精神状態が深まりきった状態を指すそうです。
その奥に屋根だけ見えているのが「開山堂」。


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「三月堂」
東大寺建築のなかで最も古く、とても美しいお堂ですが
もとは正堂(しょうどう)と礼堂(らいどう)が軒を接して建っていたものを
鎌倉時代に2棟をつなぎひとつにしたもので、国宝建造物です。
中に安置されている仏像なども国宝だらけ、
その内、有名な不空羂索観音立像と日光・月光両菩薩像は、今は
東大寺ミュージアムで展示されているとのこと。
ここも正式には「法華堂」ですが、旧暦3月に法華会(ほっけえ)が行われる
ようになり、三月堂と呼ばれるようになったそうです。


さてさて、いよいよ二月堂へ。

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「手水舎(ちょうずや)」も立派です。


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ここもまた本来は「観音堂」でしょうが、今や「二月堂」が正式名称?
ここのご本尊は大観音(おおかんのん)、小観音(こがんのん)と呼ばれる
2体の十一面観音像で、どちらも何人も見ることを許されない絶対秘仏だそうです。
一説では修二会の本尊である小観音は今も人肌の温もりを持つとされていますが
誰も見たり触ったりできないので、確かめることが・・・

ここでの修二会(しゅにえ)は、「お水取り」とか「お松明(おたいまつ)」と
呼ばれ、前述のように関西では春の到来を告げる風物詩として広く知られてます。
旧暦の2月1日から14日(新暦では3月1日から14日)まで行われる法要行事で、
天平勝宝四年(752年)に始められた二月堂での修二会は「不退の行法」と称せられ、
今日に至るまで一度も途絶えることなく続いてきた、実に今年で1261回目です。


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懸崖造りの二月堂、舞台というにはちと狭い回縁が三方にあり、修二会の期間中
連日「お松明」が登廊を上がり舞台、欄干で長さ6~8m重さ40kg、10本の松明を
振り回します。そして、12日の深夜には一段と大きな「籠松明(かごたいまつ)」
長さ8m、重さ70kg前後ある大松明が11本も登場、
年によっては2万人から3万人にも及ぶ善男善女が参集、その火の粉を浴び、
また「焼木」(燃えかす)を持ち帰り護符の代わりにするするのだとか・・・


そんな二月堂の横に「二月堂茶所」があったので覗いてみることに。

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無料の休憩所でした。お茶をいただいたり、暖もとれます♪
お水取りで使用された松明などの展示もある資料室にもなっています。


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登廊を降りて行くと

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「閼伽井屋(あかいや)」
12日の夜(13日午前1時過ぎ)に、この中の井戸から御香水(閼伽水)を
汲む儀式が行われます。これがお水取りの本来の儀式ですね。
この井戸は「若狭井」と呼ばれ、その謂れはこういうことです→〔参照〕
今でも若狭小浜市の若狭神宮寺では今もこの井戸に水を送る「お水送り」の
行事が行われています。(3月2日)〔jimmy.さんのブログで〕
※閼伽(あか)とは梵語のアルガの音写で水のこと。英語のアクアと同じ語源だそうです。


さて、帰りは二月堂裏参道の石畳を降りて行きます。

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なんとも古都奈良の息吹きが感じられます。五木寛之さんお奨めの小径だそうです。



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2012.2/12、東大寺二月堂にて。


追記、本日の午前中・・・京都市内でも牡丹雪が舞いました。
お水取り、大松明の日だというのに・・・(^_^ゞ
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カッパのロードスター


nice!(21)  コメント(16) 
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コメント 16

OILMAN

こんにちは。
今日は呉市でも雪が舞ってました。
広島でもいちばん暖かいくらいの場所なんですが、今日は洗車が辛かったですよ。
by OILMAN (2012-03-12 22:30) 

路渡カッパ

★OILMANさん、こんばんは。
エエッ!呉でも雪がぁ!
時期が時期だけに驚きですね。
この寒波が去れば、もう本格的な春が来そうな気がするのですが・・・♪
by 路渡カッパ (2012-03-12 23:26) 

BPノスタルジックカーショー

おはようございます。

ここは・・昔々に誰か忘れましたが行きました。
丁度、お水取りの日でした。
by BPノスタルジックカーショー (2012-03-13 05:31) 

ヒロシ

TVニュース、寺院画集でしか拝観したことがない二月堂です
神戸でも雪が舞う寒の戻り、お水取りが済めばもう春です(*^^)v
by ヒロシ (2012-03-13 05:49) 

路渡カッパ

★BPノスタルジックカーショーさん、おはようございます。
昨夜も25000人の参拝者があったそうです。
一度お松明を実際に見てみたいですけど、ちょっと辛いかな。(^_^ゞ
by 路渡カッパ (2012-03-13 09:25) 

路渡カッパ

★ヒロシさん、おはようございます。
遠足で行ったかもしれないのですが、記憶に無かったです。
この寒の戻り、雪まで降らすとは・・・でももう寒くなることは無いと思いたいです。
去年は18日に雪が降ったのですがね・・・(^_^ゞ
by 路渡カッパ (2012-03-13 09:28) 

noriho-

その雪の京都に昨日立寄ました、枚方で仕事中に聞こえて来るFM放送で
スタジオの外は吹雪です!なんて言うのでさっさと帰京しました。
by noriho- (2012-03-13 10:13) 

マチャ

二月堂も裏参道も大好きな場所です。
東大寺で大仏殿と大仏さまだけ見て帰る人がいますが、
もったいないなあと思いますね。
by マチャ (2012-03-13 20:23) 

路渡カッパ

★noriho-さん、ありがとうございます。
午前中のわずかな間だけだったんですけどね、
おいしいタイミングで寄られたものですね。(寒かったやろけど)
最近はカレンダーと季節が合ってないような・・・(^_^ゞ
by 路渡カッパ (2012-03-13 23:37) 

路渡カッパ

★マチャさん、こんばんは。
私は逆に大仏殿と大仏さまは観ずに帰りました。(^_^ゞ
明日でお水取りも終わりかな、もう寒さも終わりにして欲しいです。
by 路渡カッパ (2012-03-13 23:39) 

すー

おはようございます

何か時間までゆったりと流れているという感じですね。いいですね。
by すー (2012-03-15 04:53) 

路渡カッパ

★すーさん、おはようございます。
そうですね、個人で行くとゆったりと風情に浸れますが
団体ツアーだと忙しいかも・・・(^_^ゞ
by 路渡カッパ (2012-03-15 09:49) 

kazenotomo

2,3,4ってあるなんて知らなかったなあ!
それにしても1261回、すごいですね。
いろいろと勉強になりました。
by kazenotomo (2012-03-15 23:27) 

はなだ雲

石畳の小径・・とてもいいです
1回だけ行った奈良で
同じように、風情ある小径(斑鳩だったかも)があって
こういうところに、生まれ育ちたかったなあと
空想したのを思い出しました
by はなだ雲 (2012-03-17 14:54) 

路渡カッパ

★kazenotomoさん、ありがとうございます。
スゴイですよね、1261回とは・・・
二月堂が戦禍で焼失した時期も綿々と行われたようです。
二、三、四・・・もっとないかと探してみましたが、無いようです。(^_^ゞ
by 路渡カッパ (2012-03-17 16:25) 

路渡カッパ

★はなだ雲さん、ありがとうございます。
奈良って良い意味で鄙びた古都。とても自然に深いものがあるように感じました。
私は生れも育ちも京都ですが、奈良だったらどうだったろう?
空想してみるのも面白いですね。
by 路渡カッパ (2012-03-17 16:30) 

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