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地蔵さん、羅漢さん、そして・・・ [旅河童]

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大聖院のつづきなんですが・・・細かい解説はなし、つーか解説しようがない。
トリッキーでスピリチュアル、ご利益満載のパワースポット・・・アミューズメントパークみたいなお寺?空海さんもびっくりの密教寺院です。

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見んぞう、言わんぞう、聞かんぞうの三地蔵?

境内参道にごろごろお地蔵さんが。それぞれ意味がありそうで、意味不明。

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拝めば願いが叶う?何か“教え”がありそうなんですが・・・

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四国八十八ケ所霊場のお砂踏みができる遍照窟の前には六地蔵。

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アリガトウ地蔵にニッコリ地蔵、ハイ地蔵とかキビキビ地蔵・・・

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こちらには干支地蔵ね。

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なかなかよく出来ているとは思うけど・・・やっぱりお参りするのかな?

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こわッ!素直にお参りせぇへんかったら叱られそう。
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かまへんよ、かまへん・・・って優しげなお地蔵さまも。

突然、現れたのは・・・!

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河童地蔵?何のご利益があるのか不明。(^_^ゞ
目立ってはいるが、孤立無援?なんだか寂しそう・・・

子地蔵さん?こちらは干支の動物と仲良く
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七福神とも仲良しのようだし・・・

とにかく、一体として同じ姿のお地蔵さんはなく、見て回るのは楽しいかも。


で、もっと壮観なのは五百羅漢さん。みんなお揃いの毛糸の帽子を被って

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羅漢(阿羅漢)とは、仏教、禅宗で供養と尊敬を受けるに値する人の意。
仏弟子の到達しうる最高の位をさし、「無学」といわれる。
・・・「無学なもんで」なんて、謙遜する時に使うのだが、仏教用語的には究極の悟りを得て、もうこれ以上学修すべきものがないことを指すんですね。

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中でも十六羅漢は、大羅漢で仏勅を受けて永くこの世に住し衆生を済度する役割をもった16人の阿羅漢。多くの阿羅漢を従えるチームリーダー的存在?
宇治萬福寺には、慶友・賓頭廬の2人を追加した十八羅漢が安置されていました。

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ボスキャラ?・・・達磨大師のようですね。

ここにずらりと並んでおられる五百羅漢さんというのは、仏陀に常に付き添った500人の弟子、または釈迦入滅後の第1回の経典結集(けつじゅう)、および第4回結集のときに集まった500人の弟子のことだそうです。

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とにかく延々とって感じ・・・

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顔立ちやポーズ、表情もいろいろあって。よく言われるのが親に似た顔が必ずあるとか、誰かに似た羅漢さんを探すのもよいかも。(^_^ゞ

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境内にはお地蔵さまや羅漢さんだけではなく、変わり地蔵のつもりなのかアンパンマンやウルトラマン、バルタン星人とかピグモンとかの石像も隠れています。お参りも飽きることはないですね♪

結局、多くの伽藍や堂宇も見ないまま、ここを去ることに。見所が多過ぎます。


さて、長い石段を下って仁王門のすぐ横にある茶店で休むことにします。

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氷やスイーツも魅力的でしたが、小腹が空いていたので名物うどんってやつを。

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お寺の一部のような『六角茶房』、流行りのお寺カフェですね。
ちょっと休憩するには素敵な空間で、ほっこりできます・・・年寄り的?
女子的にはオシャレなカフェタイムを。ってことになるかな。(^_^ゞ

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土産もん、いや、和風テイストな小物や工芸品も置かれていて、外国観光客の方にも喜ばれるかも。

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メニューはお茶を使ったスイーツなどがメインのようですが、名物・六角うどんとおいなりさんのセットなどもあります。いなりは有機煎茶茶葉入り。何かとこだわりのあるメニューでした。

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帰る頃には日も暮れて、大鳥居もすっかり干潮で真下まで人の姿が・・・

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絶好のシャッターチャンスでしたが、近くまで走って行く体力が残ってなく
遠景だけで・・・(^_^ゞ

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まだまだ見逃したところも多く、名残惜しい宮島を後に、フェリーで戻り、駐車場に着いたらもうほとんど他の車はなく・・・京都までの帰路をひとっ走りすべく愛車に乗り込みました。

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2017.10/9、宮島にて。
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キャッとトリッキーな古刹 [旅河童]

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〈大聖院・釈迦涅槃堂〉

弥山登頂、厳島神社のお詣りは済みましたが、もうひとつ宮島でどうしても訪ねたいお寺があるので、そちらへ向います。
まずは厳島神社廻廊西出口を出て直ぐにあるのが『大願寺』。

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〈山門・仁王門〉
正式には「亀居山方光院大願寺」、この寺の秘仏厳島弁財天は弘法大師空海の作と伝えられ、日本三弁財天の一つ。(あと二つは江ノ島と竹生島)

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〈本堂〉
奥の書院は、第二次長州戦争の際、勝海舟と長州藩を代表する藩士らが講和会議をした場所として知られます。

〈護摩堂〉後で見たら画面に映っているのはみんな外国人。(^_^ゞ
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〈龍神の社〉
護摩堂は明治初期の神仏分離における廃仏毀釈で焼失、2006(平成18)年に再建。
中には厳島大仏・総白檀の不動明王としては日本最大の仏像が安置されています。高札には「総身一丈六尺(5m32㎝)重量7t」と書かれていました。
この仏像制作の様子はNHK特集「仏心大器 平成の仏師・大仏に挑む」って番組で密着取材されてました。先日再放送がありましたね。

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〈門前の猿回し〉
外国人観光客に大人気のようでした。でもイルカショーとか海外の反応は、日本人は動物虐待する不道徳な国民との声も・・・(>_<)

〈九本松〉伊藤博文公お手植えだと伝えられている。
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人力車・・・日本観光の名物風情?
私の目にはこれぞ人間虐待、奴隷の様でちょっと恥ずかしく思えるのだが。


さっさと最後の目的地、本命?の大聖院へと向かうことにします。
いいかげん疲れていたのですが、また弥山の麓まで戻って・・・

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真言宗御室派の大本山で正式名は『多喜山 水精寺大聖院』。創建は806年で弘法大師空海が開いたと寺伝にある。真言宗御室派の総本山は京都の「仁和寺」(創建888年)で深い結びつきがあるようです。ちなみに京都にも同じ宗派の寺院で「紫雲山 大聖院」があります。
総本山仁和寺より古く、なかなかの古刹の佇まいが・・・

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〈山門・仁王門〉
もともとの大聖院の建物は1887(明治20)年の大火で焼失し、現在の建物のほとんどは昭和期に再建されています。この仁王門も1939(昭和14)年の再建です。

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山門の先は長い石段、ふーっ!中央の手摺についているのは、大般若経筒。回しながら参ると無量の福が得られるとか。チベット仏教の摩尼車(側面にマントラが刻まれ内部には経文が収められている。時計回りに回転させると経を唱えるのと同じ功徳があるとされる)ですね。

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手摺の端には釈迦に関するいろいろな絵がレリーフになっています。

宮島では最も古い寺院なんですが摩尼車といい、何やら演出の濃ぉい〜お寺を感じさせてくれますね、期待がふくらみます。(^_^ゞ

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石段の途中には鐘楼があり、登りきったところに御成門(四脚門の向唐門)が建っています。振り返ると宮島と対岸の眺望が楽しめます♪


さっそく現れたのは狸や蛙さん。タヌキの腹は「物事に対して、寛大太腹」金袋は「金運を呼ぶ」笠は「災難から身を守る」という意味があり、カエルには金運招福として「宝かえる」、交通安全として「旅かえる」、健康長寿として「若がえる」の3つの功徳があるとか・・・

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水晶玉は何の意味があるのかな?(^_^ゞ


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〈勅願堂・本堂〉
豊臣秀吉が朝鮮出兵の時に、必勝・海上安全を祈願した本尊波切不動明王が安置されています。

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階段の傍らには、大般若経に係わりの深い十六善神(四天王と十二神将と合わせた十六名の般若経を守る夜叉神とされる護法善神のこと)などが安置されています。

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〈三面大黒天〉
何だろなと思いつつ、このお寺のスピリチュアルな空間へ引き込まれていく・・・

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〈施無畏堂〉
聖観音菩薩が祀られており安産、子授けの御利益があるといわれる。
百八観音霊場 第十八番札所 極楽観音。

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〈愚痴聞き地蔵〉
そういえば、愚痴ってもともと仏教用語でしたよね、仏教において克服すべきものとされる最も根本的な三つの煩悩「貪・瞋・痴」の三毒。その内の「痴:愚痴」真理に暗く無知なことです。
ちなみにあとの二つは「貪:貪欲」むさぼり。「瞋:瞋恚(しんに)」怒り。

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ここを訪ねた最大の目的?が・・・コレ。(^_^ゞ

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ネコの変わりみくじが色々あると、TVか何かで紹介してたんですよ。宮島に行ったら是非寄ってみようと憶えていたんです。
無人の小屋に変わりみくじが多種多様、並べてありました。まるでキャラクターショップ、駄菓子屋さんのような楽しさ♪いろいろ選んで買った分、自分でお金入れにお金を入れるシステム。外人さんは分かるのかな?

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招きねこみくじの他、神鹿おみくじ、万福みくじ、幸福みくじ、だるまみくじ、恋鯉みくじ・・・などなど。見ているだけで楽しい。(^_^ゞ

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連れて帰ったのは、神鹿と招き猫・・・

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そして、変な招き猫。これは6種類あって、大人買いしようかと思ったのですが、おみくじを大人買いってのも大人げないかなと・・・(^_^ゞ


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石段の前で大きな烏天狗さんが石になっている?
この石段を登ると「摩尼殿」、弥山の守護神 三鬼大権現の本坊御祈祷所なんです。天狗は三鬼大権現の従者だから道案内を。
三鬼大権現は、真言宗系の天狗信仰や山岳仏教の信仰対象となる鬼神で、厳島三鬼坊とも呼ばれていて弥山の三鬼堂とこの摩尼殿に祀られている。

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摩尼殿に向かう石段にも摩尼車が備えてあります。
時間的に(体力的にも?)余裕が無かったので、スルーしましたが、お寺の説明では「摩尼は福寿とも訳し、幸せな日ぐらしと、健康で長生きができることなどを願って、参拝者が絶えません」とか。一般的に摩尼とは、玉、宝球と訳され、神秘的な力をもつ玉。摩尼宝珠(チンターマニ)のことです。「ニ」を忘れないでね。(^_^ゞ

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〈百観音お砂踏み〉
西国三十三観音、板東三十三観音、秩父三十三観音のお砂が納めてあります。
全部足しても99なんやけどな・・・この十一面観音も加えるってことかな?

こちらは、四国八十八ケ所霊場の本尊が安置され、本尊前に各霊場のお砂が埋めてあり、四国を遍路したのと同じ功徳があるといわれるお砂踏み場。〈遍照窟〉
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なんともいえない空間に目を奪われ、八十八所のお砂踏みをするのをすっかり忘れてしまいました。(^_^ゞ

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〈遍照窟〉
遍照窟とは世の中を平和にするため、幸せの火をあまねく(遍)てらす(照)道場(窟)の意味だそうです。

〈八角万福堂〉七福神が祀られていて宮島七福神として名高い。
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〈折り鶴の碑〉
彫刻家で広島の被爆2世、ゼロ・ヒガシダさんが平和への願いを込めて制作したオブジェ。

長ったらしい大聖院の記事でしたが、実はまだ終わってません・・・つづく。

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2017.10/9、宮島・大聖院にて。〈摩尼殿〉
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厳島神社、行き着く。 [旅河童]

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弥山登頂でちょっとヘバっているけれど、ここへは詣らないとね。何のための宮島観光かわからなくなる・・・

厳島神社(古くは伊都岐島神社とも記された)の創建は593(推古元年)と伝わる。
飛鳥時代、聖徳太子が居られた時代ね。厳島自体は旧石器時代、縄文、弥生時代の遺物が出てくるそうだから驚きです。
創建当時は簡素な神社だったようですが、現在の大規模な社殿は1168年頃、平清盛が造営したのが始まりです。(火災により焼失、現在の社殿は1241年に造営)

主祭神は天照大神の子である宗像(むなかた)三女神。長女・田心姫命(たごりひめのみこと)、次女・湍津姫命(たきつひめのみこと)、三女・市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)の三柱です。

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建造物は国宝だらけ、海に浮かぶその姿は・・・あれっ、干上がってしまってる。しまった!海面に映り込む朱色の美しい社殿を撮りたかったのに。さっさと弥山に行かず、午前中も写真を撮りにくればよかった。


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しかし干潮のおかげで見られたのは・・・ふむふむ、これが鏡の池ってやつか。

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潮が引いたときに見える池、手鏡のようだから「鏡の池」と呼ばれています。
海水が溜まったものじゃなく、清水が涌いているのだとか。3ヵ所あります。


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厳島神社が規格外の神社だというのは一目瞭然ですが、もう少し詳しく調べてもその特異さが解ります。そもそも鳥居をはじめ木造の大建造物群を海に浸るように造るなんて、思いついたとしても敷地が海という難工事を実現してしまう、それも850年も前にね。もちろんそれを現在まで維持していることも凄いのですが。

そのスケールも規格外で、大鳥居は奈良の大仏とほぼ同じ高さの16m、主柱は樹齢500〜600年のクスノキが使われており、もちろん木造鳥居では日本一。
本殿の大きさも桁違いで、伊勢神宮や出雲大社を凌いで日本最大といわれている。

東廻廊入口を入って客神社(まろうどじんじゃ)、朝座屋(あさざや)、本社本殿・拝殿・祓殿、大国神社・天神社、能舞台・能楽屋などを廻り西廻廊出口まで108本の柱、108間の廻廊で結ばれています。
ちなみに本社拝殿から大鳥居まで108間、参道の石灯籠も108個といわれており、仏教思想に影響されている?
本殿の建物自体、神社建築様式から外れている。寝殿造りの様式で、屋根は桧皮葺きだがその棟には瓦が積まれお寺の様で、神社の定番でもある千木(ちぎ:屋根の両端で交差している木材)や鰹木(かつおぎ:棟に直角に数本並べられている木)が無い・・・何故かはわからないが、ちょっと気づくと面白いです。


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〈卒塔婆石(そとばいし)〉
本殿の東側、揚水橋の下に卒塔婆石と呼ばれる石があります。
鬼界ヶ島に流された平康頼が、母を偲んで2首の歌を千本の卒塔婆に書き流したところ、その内の1本がこの石の所へ流れ着いたというものです。
後に赦免された康頼はこの石の近くに灯籠を寄進、現在宮島内で最も古い灯籠として残っています。


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平舞台と右楽房・左楽房(うがくぼう・さがくぼう)、
右門客神社・左門客神社(みぎかどまろうどじんじゃ・ひだりかどまろうどじんじゃ)・・・全て国宝です。

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高舞台と本社祓殿。

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高舞台では4月の「桃花祭」、10月「菊花祭」など年間9回、能楽が舞われます。
そういえば2011年、奥田民生がこの高舞台でコンサートをしましたね♪


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祓殿、客神社越しに豊国神社、五重塔が見えています。


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〈天神社(てんじんじゃ)〉と〈反橋(そりばし)〉
天神社のご祭神は菅原道真公、毛利隆元の建立寄進によるもの。
かつては重要な祭事の際、勅使がこの橋を渡って本社内に入ったことから勅使橋(ちょくしばし)とも呼ばれました。現在の橋は、毛利元就・隆元父子によって再建されたもの。

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反橋は、本当に歩けるのかって角度でしたが・・・(^_^ゞ


西廻廊、この先に毛利元就が造営寄進した能舞台・能楽屋があり、
西出口となります。
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廻廊にしても社殿も、その高さは満潮時には海面すれすれになります。このギリギリの美学ってイイですね。ミニスカートの丈もギリギリだと目が釘付けになってしまうもんね。ナニユーテルネン!(^_^ゞ
台風など高潮の際は当然、浸かってしまうこともあるのですが、床板の板と板の間にわざと隙間が設けられていて、下から押しあがってくる海水の圧力を弱める工夫がされています。よく考えてあるな、拍手ものですね♪


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大鳥居も海水に浸かっているため、定期的に柱の交換が必要。このため、海底に埋め込むことはせず置いてあるだけなんですね。約60tの自重で動かないように。
重量を増やすため島木、笠木の部分は箱状構造で中に石が詰めてあるそうです。
鳥居は両部鳥居・四脚鳥居と呼ばれる形式です。ちなみに日本三鳥居〔奈良吉野・銅の鳥居(かねのとりい)、大阪四天王寺・石の鳥居、安芸の宮島・朱丹の大鳥居〕。また日本三大鳥居〔厳島神社、伊勢神宮(氣比神宮の場合もある)、春日大社〕のひとつでもあります。
なお、現在の大鳥居は1875(明治8)年に建てられた8代目にあたります。

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潮が引いてきて海側から厳島神社を見られるようになってきました。全容を1枚に収めるのは難しいですね、パノラマ撮影でもしない限り・・・

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大鳥居にも随分近づけるように♪
鳥居の笠木には金色の太陽と月がはめ込まれています。東側は太陽で、西側が月になっています。扁額は有栖川熾仁(たるひと)親王の染筆で、海側に「嚴嶋神社」、社殿側が「伊都岐島神社」と書かれています。

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靴が壊れて急遽サンダルのような履物にしたからバシャバシャと・・・

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鹿とすれ違う河童?

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2017.10/9、厳島神社にて。

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弥山(みせん)に、魅せられて [旅河童]

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宮島観光、私的にはメインの目的が弥山登頂でした。人と神々が共に生きる島〜その頂点には数々のパワースポットが待っているはず。
「日本三景の一の真価は弥山頂上からの眺望にあり」と、この地を愛した伊藤博文の言葉をきっかけに、明治時代に一般登山路が整備されたそうです。

登山コースとして『紅葉谷コース』『大聖院コース』『大元コース』があります。
それともうひとつ、ロープウェーって方法が・・・乗り物好きな私としては迷うこと無くコレで♪

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まずは紅葉谷駅から出発です。途中の榧谷(かやたに)駅まで8人乗りのゴンドラ。
循環式で1分間隔で乗れます。途中駅までは約10分。

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榧谷駅で30人乗りの交走式に乗り換え、獅子岩駅を目指します。
5〜15分間隔で、乗車時間は約4分です。

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ここまでくればもう瀬戸内海の素晴らしい眺望が・・・♪

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14分間ほどの空中散歩を楽しんで、獅子岩駅に到着。ここは海抜430m、弥山山頂へはまだ徒歩で40分ほどありますが、まずはここの展望台へ♪

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山のあちこちに花崗岩がゴロゴロ露出してます。山頂までの登山路には、富士岩だとか風吹き岩、幕岩、舟岩、鯨岩などなど名前がついていたりします。
これらの奇岩怪石は、岩石中の空洞に石英などの結晶が密集しているのが見られる晶洞群なんだそうです。

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獅子岩がどれなのか・・・ちょっと分かりませんでしたが。

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瀬戸内海に浮かぶ大黒神島、大奈佐美島、能美島、江田島など、8つの島々や四国、対岸の広島市の眺望が楽しめます。展望台には望遠鏡や島の説明板のところには名前と、何処のことか分かるよう専用ののぞき穴が設置されていました。

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さて、いよいよここからは徒歩で山頂を目指します。山頂の標高は535m、ここからだと100mちょいの差なんですが・・・ちょっとした罠?何故か下り坂なんです。一度下ってから登るので実質は140mくらい登ることに?(^_^ゞ

山頂から下りて来る人を見たら、一様にキツそうに・・・10月半ばとは言え晴天。タンクトップに半パン姿のおばさん、赤い顔して汗だく。ちょっとヤバイかなと思いつつ出発。

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ここが下りきった辺り、「天然記念物 弥山原始林」の石碑があります。

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弥山原始林は、古くから神域として保護され、一万年以上前から手つかずのままの自然が残されており天然記念物、特別保護区、世界遺産に指定されています。その植生は独特で、寒い地域に棲息する種と暖かい地域のものが共存、固有種や希少種もあるようです。

ところで、ここで予期せぬアクシデント。家内の靴にトラブル、口を開けてます・・・靴底が剥がれてあんぐりと!これでは歩けそうにない。と言うことで、家内は獅子岩駅まで戻ることに。私一人、山頂を目指すこととなりました。(-。-;)

長袖のシャツの袖をまくり上げ汗をかきかき、休み休みしばし登って行くとちょっとした広場、境内に到着します。

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〈弥山本堂(みせんほんどう)〉
806年、唐から帰国した弘法大師・空海が霊地を探し求めて宮島に立ち寄った際、山の姿が須弥山(しゅみせん:古代インドの世界観の中で中心にそびえる聖なる山)に似ているところから弥山(みせん)と名づけ、御堂を建て100日間の求聞持の修法を行ったのが、この「弥山本堂」だと伝えられています。

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ご本尊は虚空蔵菩薩。脇に不動明王と毘沙門天を祀っています。
本堂横には「弥山七不思議 錫杖(しゃくじょう)の梅」があります。八重の紅梅で、弘法大師が立てかけた錫杖が根をはり、ついには梅の木になったという・・・
〈弥山本堂〉
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〈霊火堂(大聖院)〉空海が護摩火を焚いて修行したとされる場所。
奥に見えるのは〈三鬼堂〉日本で唯一鬼を神として祀っている。
ちなみに本堂と三鬼堂の扁額は伊藤博文公が揮毫されたものです。

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弘法大師・空海が去った後も弟子たちに護られた火は、約1200年経った今でも「消えずの火」として燃え続けています。
広島平和記念公園の「平和の灯火」の火はここから採火されたものだそうです。

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〈霊火堂(大聖院)〉
恋人の聖地なんだそうです。燃え続ける愛の炎・・・ってことかな。
大きな釜で霊水が沸かされており、自由に飲んでもよかったみたいです。
飲めば万病に効くとか幸せになるとか・・・飲み損ねましたが。(^_^ゞ

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「家内安全」の蝋燭を1本供えて来ました。永久に燃え続けることは無いでしょうが、宮島を出る頃までは消えないでしょう。
そうそう、家内は傷んだ靴で駅まで無事に戻れたかな・・・

黒く煤けて古い堂宇に見えますが、実は2005年に焼失、翌年に再建されたものです。火を消さないのはよいですが燃やし放しってのは危ないですね。ま、山への延焼や怪我人も出なかったのは、やはり空海のご加護のおかげかな?(^_^ゞ

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〈文殊堂〉
本堂と霊火堂のある境内でしばし、いや結構休憩していたかな。飲料水の自動販売機はここより上には無いので、水分補給。もちろん獅子岩駅で買ったペットボトルは持っていましたが、もう半分以上飲んでしまっている。
頂上まではもうひと息・・・でもなさそう。すでに体力は消耗しているが、頑張ってみよう!てっぺん目指して♪

平安時代、空海によって開山された真言密教の修行の地(阿波の大龍嶽・土佐の室戸岬とともに、真言密教の日本三大道場となっています。)を過ぎると、いよいよ巨岩がつくる類い稀な光景の中を進むことに。

〈不動岩〉石洞の中には不動明王像が安置されています。
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       〈くぐり岩〉
巨大な岩が折り重なってできたトンネルで「くぐり岩」と呼ばれている。
ここまで来れば、山頂はもう間近。途中、くじけそうにもなったが、下山の人達と声を掛け合いながら・・・何が何でも。写真では伝わらないだろうダイナミックなこの自然の造形にも励まされながね。

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ついに、遂に!山頂です。ふぅ〜ッ! この記事も長いなぁ、ふぅ〜ッ!

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山頂といっても尖ってない、広場みたいになってます。「弥山山頂展望台」が天辺のよう。

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世界各国から観光客の方が訪れていました。ミシュランガイド三ツ星の絶景を堪能しに?ここも世界遺産の範囲内ですからね、見える景色は瀬戸内海国立公園だし♪
360度遮るものがない大パノラマ、頂上にたどり着いた者だけが目にすることができるご褒美の絶景♪

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展望台は3層構造、3階屋上で大パノラマを堪能し、2階ではしばしお休み。休憩所のようになっています。ここでも素晴らしい景色が見られ、日陰で風も通るので、お弁当を広げたり昼寝したり・・・
2014年にリニューアルされたとかで、設備はバッチリ。1階にはトイレが完備、ただし自動販売機やカフェなどはありません。(^_^ゞ

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山頂広場?一番大きい岩は神が鎮座するといわれている「盤座石」。
初代内閣総理大臣・伊藤博文も登頂されたようですが、当時は登山路も整備されていなかったろうし、展望台もなかったでしょうがこの眺めこそ真骨頂だと感激されたのでしょうね。
・・・現在は、こんなんで見れるんですが→『Googleストリートビュー』

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ロープウェー獅子岩駅を確認することができます。あそこから歩いて来たのかと思うと、改めて達成感がふつふつと・・・
それはそうと、家内は大丈夫だったかな。駅まで下りて無事に合流することができました。駅で親切な人に靴を応急処置してもらったとか。麻縄でグルグル縛っただけですが。(^_^ゞ
結局、ロープウェーを降りて、できるだけ歩かずにすむようシャトルバスに乗り、商店街で簡単な履物を買ってその場で履き替えて、底の抜けた靴は破棄してもらいました。まだまだこの後、厳島神社や、もう一つ訪ねたいお寺もありますから歩き回らないと・・・


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2017.10/9、宮島・弥山にて。
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安芸の宮島、いつくしむ。 [旅河童]

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よく絵や写真で目にしてきた海の上の大鳥居、私にとっては初めての宮島。
松島・天橋立とならび日本三景のひとつにして、世界文化遺産『厳島神社』がある・・・人と神々が共に生きる島。

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ところでこの島、「厳島」それとも「宮島」なのか・・・どうでもいいことを考えてしまう。厳島神社の祭神である、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)の名に由来し、「神に斎く(いつく=仕える)島」の意もある。
国土地理院では「厳島」と示されるので、正式な名称は厳島。
ただ、江戸中期より「お宮(厳島神社)のある島」という意で宮島の呼称が定着、明治には「厳島町」だったのが戦後「宮島町」と改訂されるなど併用されている。
使い分けについても明確な決まりはなく、二つの呼び名が混在してしまっている。

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海に浮かぶように建つ社殿群、この風景は他では見られないかも。
国宝・重要文化財の建造物は17棟3基・美術工芸55点など約260点。東廻廊45間、西廻廊62間。スケールも凄いですね。

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観光客をまず迎えてくれるのは、宮島の鹿ちゃん。さすが広島の鹿?餌もお好み焼き。ちょっと待てよ、ここの鹿は奈良公園の鹿と違って餌をやってはいけないはず・・・お好み焼きの屋台のおっちゃんがやってましたw
何故、宮島に鹿が?奈良の鹿は春日大社の神の使いとして大切にされていますが、厳島神社のご祭神と鹿は全く無関係のはず。
どうやらもともといた鹿が島で大繁殖したよう。戦後、GHQが娯楽でハンティングしたため数千頭いたのが500頭くらいに減ったなんて話しもあるが、その後また増えたようで植物被害や人とのトラブルが目立ち始め10年ほど前からシカせんべいの販売禁止、餌やり禁止を呼びかけることで食べ物をもらえないとわかった鹿は山に戻り、市街地での数は相当減ったようです。
今は健全に共生しているって感じ。奈良公園の鹿のように執拗につきまとわない。

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厳島神社に行く前にちょっと寄り道、豊国神社『千畳閣』。
豊臣秀吉が戦歿将兵の慰霊のために建立した大経堂、畳857枚分の広さから「千畳閣」と呼ばれるようになった。ちょっと足りないけどね。(^_^ゞ

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豊国神社(とよくにじんじゃ・ほうこくじんじゃ)って、全国にも10ヵ所以上秀吉ゆかりの地にあったりします。ここの場合、もとは寺院だったものを神仏分離令により、厳島神社の末社として豊臣秀吉公と加藤清正公を祭神とする神社になった。
本来は経堂として建てられた伽藍、それにしては天井板も無いし、板壁も無い。
秀吉が建てたものならもっと豪華でもおかしくない・・・と思ったら、建築半ばで秀吉が没してしまい中断、その後も進められることなく未完成の状態のまま今に至っている。

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何せ未完成ですから、伽藍とも社殿とも・・・江戸時代には既に交流の場、納涼の場として親しまれていたとか。天井はまるで絵馬堂のように奉納品が飾られていますね。

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千畳閣と同じく重要文化財に指定されている五重塔が隣りに建っています。
景色もなかなかグーかな、厳島神社が見渡せます。

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とりあえず広いし、風通しもいい♪ 訪ねたのは10月9日でしたけど残暑がぶり返した暑い日でしたが、ここは涼しくて良かったですよ。
船のような模型が展示され、天井には船が突き刺さっている?(^_^ゞ
例年8月には「管絃祭(かんげんさい)」と言われるお祭り(日本三大船神事のひとつ)が行なわれるようだが、その時に使われていた船かな?それとも戦用の船?

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五重塔は1407(応永14)年に建立されたものと伝わっています。
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[三翁神社(さんのうじんじゃ)]厳島神社の摂社、祭神はなんと全11柱!
願い事、何でも来いって感じなのかな・・・
平安時代、平清盛が日枝神社から勧進したのが始まりで明治維新後、厳島にあった末社を合祀していった結果、11もの神が集まることに。


さて、厳島神社を目前にしながら私らは紅葉谷の方へと向かいました。
その先にあるのは弥山(みせん)、厳島神社には失礼なんですが、私的にはこちらが優先。ぜひとも山頂まで登ってみたかったのです。

もみじ谷へ行く途中にとても素敵な旅館がありました。

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『岩惣』。和レトロな歴史を感じさせるお宿、江戸末期の創業で皇族をはじめ、夏目漱石、森鴎外、ヘレン・ケラーなど著名人も多く宿泊した160余年の歴史を持つ老舗旅館。今も名だたる文豪から世界のセレブリティにも愛されている宿だとか。

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お宿の回りは自然豊かな紅葉谷、最高のロケーションですな♪ミシュランガイド広島で1ツ星を獲得したようで、お食事処ではランチもいただけるとか。

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弥山山頂までの道程は2つのロープウェイを乗り継いで、そこからまだ徒歩40分。
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宮島の公衆トイレには鹿除けの「鹿戸」がついてます。トイレットペーパーを求めて荒らすのかな?(^_^ゞ

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ロープウェイの駅までは無料のシャトルバスもありますが、やはり紅葉谷を歩いて行く方がいい。ちょうど喉が渇く頃に茶屋があります♪
迷わずラムネを1本。有名な後藤鉱泉所のものじゃ無いけれど、これも瓶詰めで明治30年創業と書いてある。齋藤飲料工業のものかな?

この日は10月とは言え快晴、気温も真夏日に近かった。この後、汗だくの弥山登山が待っています・・・


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2017.10/9、広島・宮島にて。
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