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豪華絢爛、極上、ゴージャス。 [レトロ建築]

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贅の限りを尽くしたような旧村井別邸、長楽館の中身は・・・
それほど大きな建物では無いのですが、趣の違う様々な部屋があって
楽しめます。カフェメニューで来ても2階までは見学OK、
もちろん写真撮影も可です。
ただ、お客さんも居られるので、なかなか思うようには
鑑賞できませんけど。

建築様式から見ると外観はルネサンス様式。1階の客間〔迎賓の間〕は
ロココ調、食堂〔フレンチレストラン〕は英国ビクトリア調の
ネオ・クラシック様式。重厚な設えの〔書斎〕、ビリヤードを
興じる部屋として造られた〔球戯の間〕、
建設当時は温室だった〔サンルーム〕今はいずれも
カフェとして使われています。
2階には美術の間、喫煙の間、貴婦人の間、鳳凰の間、接遇の間
などの部屋がありますが、ゆっくり見学はできませんでした。
3階は和室で長楽庵、御成の間があるのですが公開されてません。
宿泊客は見学できるようです。
インテリアに関しては英、仏、米、中、イスラム、そして和の趣が
折中され、さながらモデルルーム?
調度品も極上の本物、30ほどが文化財に指定されています。


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〔迎賓の間〕アフタヌーンティーをいただいた部屋です。
応接間として造られた部屋、現存する日本の西洋館では
最大規模だそうです。

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シャンデリアは全館、バカラ社製だそうです。
置き時計もタダもんじゃない?

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今はアフタヌーンティー専用の部屋として、エレガントでゴージャスな
雰囲気を漂わせるロココ様式。乙女チックかな?(^_^ゞ
かつては数多くの賓客を迎えた部屋だったことでしょう。


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暖炉、寒い時季には薪で火が入れられます。他の部屋にも暖炉があり
それぞれにマントルピースも趣向が凝らされているようです。
薪による暖房、そう言えば外から見ると煙突が何本かありました。

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カメラ女子、撮影会を兼ねてアフタヌーンティーで女子会。
なんてグループも居られるようで・・・

さて、2階へまいりましょう。

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隅々まで豪華絢爛、重厚な雰囲気が凝縮されている感じ。
写真を何枚とっても足りないくらいです。

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二階の階段ホールから、もう何様式か私には分かりません・・・

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この二階にはバルコニーが備えられた〔喫煙の間〕と呼ばれる部屋が。
さすが煙草王・村井吉兵衛別邸、建物の中心的存在?

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扉の上にはステンドグラス。天井にはシャンデリア・・・なのに

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なぜか壁や置物は中華風。
観音開きのドアにもステンドグラス、床はイスラム風のタイル張りに。

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バルコニーはこんな感じ、桜の季節は最高でしょうね♪

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二階のサンルーム、建設当時はバルコニーだったそうです。

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〔喫煙の間〕を挟んで〔美術の間〕と〔貴婦人の間〕があります。
どちらも入りませんでしたが、当時は美術室、村井夫人の部屋として
使われていたもので、今はカフェやパーティ会場に使われています。


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伊藤博文揮毫の扁額が飾られています。実は「長楽館」と名付けたのは
彼だそうで。竣工直後に訪れた際
「この館に遊ばば、其の楽しみやけだし長(とこし)へなり」と
感想を述べ、扁額に館名を揮毫されたものです。

貧しい煙草商の次男として生まれ、煙草王と呼ばれるまでに登り詰めた
村井吉兵衛。煙草産業が国家による専売制になった後、
その莫大な補償金を元手に村井銀行、東洋印刷、日本石鹸などの事業を
設立し財閥を形成するも、昭和に入りすぐに起った金融恐慌により破産。
没後、豪華絢爛を誇ったこの館も売却されます。
明治、大正、昭和を駈けた一代記をこの残された館が語っているようにも
思えます。

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虎は死して皮を留め人は死して名を残す、名前ばかりでなく明治の
成り上がり、実業家の中にはこのような文化財を残した方が多いですね。
もちろんこの館に惚れ込み買い取って現在の姿にした先代オーナー、
現オーナーの情熱があってこそ、こうして観賞できるのですが・・・

珈琲、紅茶が1杯864円、高いようですが入館料込みだと思えば・・・

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日本の洋館は西洋への憧れと、その文化に追いつきたいとする
バイタリティを感じることができるし、真似では終わらない匠の技も
感じたりします。そんなところが魅力です。
もともとバタ臭いものが好きですが、最近は「百年名家」で紹介される
ような和風の建物にも大いに魅力を感じますが・・・


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2016.4/16、長楽館にて。
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コメント 16

Kansai-gin

円山公園に、こんな所があるとは、
知りませんでした。でも、私には
豪華過ぎて、落ち着くことができない
空間かもしれません。
by Kansai-gin (2016-05-17 05:37) 

京男

おはようございます。
美術的にいいのかわるいのかはわかりませんが、これだけのものを残すのは評価できますね。いま、大企業や国では、後世に残るものは作れないだろうな。みんなで決めますから。個人でなく。
by 京男 (2016-05-17 07:10) 

斗夢

昔の金持ちはスケールが大きいですね。
私的な費用も会社の費用として賄ったのかな?
by 斗夢 (2016-05-17 08:15) 

馬爺

全国には名士が残した建築物がありますがどれも近代様式を取り入れられていますね、文明開化の音がするてものでしょうね。
by 馬爺 (2016-05-17 13:02) 

ヒロシ

詳しく雰囲気も伝えてもらい画像をみていると
久しく行っていない兵庫県公館に見学にいきたくなりました(*^^)v
by ヒロシ (2016-05-17 18:18) 

しばちゃん2cv

いつもnice、コメントありがとうございます
by しばちゃん2cv (2016-05-17 19:46) 

風来鶏

カッパさんは、死して何を残すのでしょう(^^;;
甲羅、お皿、それとも"長寿の酒"かな⁈
一度此処で、(路渡カッパさんの奥様のような)綺麗なご婦人と一緒に、アフタヌーンティーを楽しみたいですね(^_^)v
by 風来鶏 (2016-05-17 20:44) 

たいちさん

素晴らしい調度品、建築物ですね。ぜひ実物を見に行かなくてはね。
by たいちさん (2016-05-17 21:01) 

なんだかなぁ〜!! 横 濱男

ホントに極上ですね。
立派な部屋や調度品の数々・・・
いつも、掃除が大変だなぁ~と思っちゃいます。
ホコリがかぶってませんからね・・(^▽^)

by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2016-05-17 21:53) 

Hide

絢爛豪華、豪華絢爛の文字は好きなんですが!
この部屋では落ち着かないよ、焼酎は飲めないしな〜@@

by Hide (2016-05-17 23:57) 

はなだ雲

置時計ひとつとっても
ただの置時計じゃないっぽいですね!
「喫煙の間」があるってことは
タバコ王の別邸、もしや分煙だったのかな?
by はなだ雲 (2016-05-22 10:02) 

風の友

やはり高級な雰囲気が満載ですね。
お上品な方とのデイトに最適ですが
そんな人いないかなあ(笑)
これも京都の名所ですね。
by 風の友 (2016-05-22 14:18) 

路渡カッパ

お返事、遅くなってごめんなさい。

★Kansai-ginさん、ありがとうございます。
今まで外観だけ見ていたのですが、肝を据えて・・・(^_^ゞ
意外と楽しめましたよ♪

★京男さん、おはようございます。
この時代の実業家、ワンマンでやりたい放題だったのでしょうね。
現代の成功者のお金の使い方は文化的じゃないかもね。

★斗夢さん、ありがとうございます。
公私混同が許された時代?
ワンマンのパワーが違ったのでしょうが、結果的には破産でした。(^_^ゞ

★馬爺さん、ありがとうございます。
この時代、西洋文化への憧れと、何とか追いつきたい気持ちが
強かったのでしょうね。

★ヒロシさん、ありがとうございます。
兵庫県公館、あそこも見応えがありました。
一度や二度行ったくらいでは見尽くせませんね。(◎_◎;)

★しばちゃん2cvさん、ありがとうございます。
こちらこそ♪

★風来鶏さん、ありがとうございます。
私は頭のお皿・・・なんでやねん(笑)
周りには若くて可愛い観光客がいっぱい、にわか和装美女でも
誘えば歓んでもらえるかも・・・('-^v)

★たいちさん、ありがとうございます。
機会があればぜひ、ワンちゃんはお留守番になりますけど・・・

★横 濱男さん、ありがとうございます。
そうですね、お掃除も大変でしょうね。
スタッフさんも大勢、珈琲1杯864円の意味がその辺にありそうです。(^_^ゞ

★Hideさん、ありがとうございます。
近くにそういうお店があったかな、この建物を見ながら
焼酎ぐびぐびってお店が・・・(⌒-⌒)ニコニコ

★はなだ雲さん、ありがとうございます。
当時は鹿鳴館を凌ぐってほど豪華だったようですから、
分煙ではなかったでしょうが、煙草のヤニは気になったかも・・・(^_^ゞ

★風の友さん、ありがとうございます。
私でも入れたのですから、誰でも行けるかと・・・
周りのお客さんはお嬢様や淑女が多かったですけど。(^_^ゞ

by 路渡カッパ (2016-05-26 11:19) 

ロートレー

先日NHKTVで琵琶湖疏水の庭園別荘群を放映していました。
当時の財界人の財力に圧倒される見事な庭園でしたが、煙草王 村井吉兵衛氏も当時の富豪の一人であったのですね~

by ロートレー (2016-05-27 15:19) 

sig

こんばんは。
実景のすごいことは言語に絶するようなので、とうてい文字にはできませんが、その豪華絢爛さを1枚だけで見事に伝える記事中央の大写真のすばらしいこと。本当にすばらしい記念になりましたね。
by sig (2016-05-30 00:32) 

路渡カッパ

★ロートレーさん、ありがとうございます。
岡崎、南禅寺界隈の別荘群ですね。
当時の財界人はお金の使い方も上手だったのかも。
文化遺産を沢山残してくれていますね♪

★sigさん、ありがとうございます。
写真はご自由にってことでしたが、営業中のカフェ・レストラン、さすがにお客さんが居られる部屋には入って行けず・・・(^_^ゞ
様々の部屋があったのに、写真が撮れずに残念でした。

by 路渡カッパ (2016-05-31 11:24) 

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