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桜にまつわる言の葉は [花だより]

咲いた花なら散るのは覚悟 見事散りましょ・・・悲しい歌やね。

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数ある桜をテーマにした歌、熱愛・失恋、出逢い・別れ・・・悲喜こもごもが
描かれ歌われています。
この花のもつ華やかさと儚さ、そんな裏腹のイメージが感動を呼ぶのかもね。

特に悲しい歌はこころに染み入るものがあります。

私は戦争を知らない世代ですが、「軍歌 同期の桜」を聴くと胸が詰まります。
桜花を観て、この歌を思い浮かべる人はもう少ないでしょうね。(^_^ゞ
ただ満開の桜の下でウカれるばかりでなく、日本人ならこんな時代もあった
ことを心の隅っこにでも留めて置きたいものです。
外国人観光客と伴に愛でられる今の日本の桜。
先達たちの掛け替えのない命。その犠牲によって得られた平和をもっと
大事にして生きてゆきたいものだと思います。


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話が脱線しましたが・・・日本語には風流な桜にまつわる言葉が多いですね。
俳句において「花」という言葉が季語として用いられるとき、それは「桜」の
ことを指しているのだそうです。
桜をもって花の代表とする習慣は、平安時代以降の日本人が詩歌などを通じて
受け継ぎ、育んできた美的な感性といって良いのかも知れません。


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水ぬるみ花時を迎え、初桜に花衣をまとった桜人がこぞって桜狩りに。

花時(はなどき)…春、花(特に桜)が咲く頃。
初桜(はつざくら)…その年に初めて咲く桜花、咲いて間もない桜の花。
花衣(はなごろも)…花見に行く際の女性の美しい着物。
桜人(さくらびと)…桜の花を見る人。桜の花を愛でる人。


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花盛り、花の雲、山は花霞。空は花曇り、桜雨が降れば花冷えも・・・

花盛り(はなざかり)…花が満開に咲くこと、その季節。全盛期のたとえ。
花の雲(はなのくも)…満開の花が連なって雲のように見える様子。
花霞(はながすみ)…遠くに群がって咲く桜の花を霞にたとえていう言葉。
花曇り(はなぐもり)…桜の咲く頃、空が薄曇りであること。
桜雨(さくらあめ)…桜が咲く頃に降る雨、桜の花に降り注ぐ雨のこと。
花冷え(はなびえ)…桜が咲く頃に冷え込むこと。


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夜桜はライトアップなどせずに花明かり、せいぜい花篝、花雪洞で楽しみたいもの。

夜桜(よざくら)…夜の桜の花。
花明かり(はなあかり)…桜の花の白さで、夜でもぼんやり明るく見えること。
花篝(はなかがり)…夜桜を見るために花の下で焚かれるかがり火。
花雪洞(はなぼんぼり)…夜桜を楽しむために吊るされるぼんぼり提灯。


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やがて零れ桜が花吹雪、花嵐。地は花筵に。桜流しで花筏、花の浮橋が現れる。

零れ桜(こぼれざくら)…満開になって散りこぼれる桜の花。
花吹雪(はなふぶき)…桜の花びらが吹雪のように乱れ散ること。桜吹雪。
花嵐(はなあらし)…桜の時季に吹く強い風。嵐のように散る花びらの様。
花筵(はなむしろ)…桜の花びらが一面に散り敷いている様子。
桜流し(さくらながし)…散った花びらが雨や水に流れていく様子。
花筏(はないかだ)…散った花びらが水面に浮かんで漂う様子。
花の浮橋(はなのうきはし)…花筏となり吹き寄せられ流れ着く様子。


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桜の異名、別名に夢見草(ゆめみぐさ)と言うのがあります。
夢のように美しく、うっとり見惚れる様からついた呼び名ですが、
徒名草(あだなぐさ)とも呼ばれることも。
徒桜(あだざくら)とは、散りやすく儚く散ってしまう桜の花のこと。
儚いものの喩えにも使われます。


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勧修寺・氷室池に映る花影。

花影(はなかげ)…水面などに映った桜花の影。
桜の木の下、日陰のことは字を変えて花陰と表現します。

他にもまだまだ桜にまつわる言葉はあるようです。
花風(はなかぜ)、花屑(はなくず)。はなくそ、はなみず・・・(^_^ゞ
さて、花疲れ(はなづかれ)と言うのは、花見のあとの気だるい感じ。
美しいものを見た満足感からくるもので、花見で騒いだ疲れとは違います!


このコたちは池の中からお花見?

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花の命は儚いけれど、花の季節はまだまだこれから・・・

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勧修寺の桜はこれにてお別れ。オープンカーの醍醐味を楽しみながら♪

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2015.4/4、勧修寺にて。
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すー

おはようございます

散った姿も見事ですね。
日本人が好きな訳です(^_^)ニコニコ
by すー (2015-04-07 04:31) 

g_g

そちらではもう散り始めているんですね、これまた綺麗です。
当地では場所にもよりますが、3分咲きくらいでしょうか。
by g_g (2015-04-07 07:00) 

ヒロシ

素晴らしい桜の画像と言葉の説明に頭が下がります(*^^)v
どんな理由があれ武器を持って戦わずに互いに言葉で解りあえる国が
増えるのを願っています
by ヒロシ (2015-04-07 07:08) 

京男

おはようございます。
花詰まり・・・桜の花が鼻につまって息ができない様。
も追加して置いてください。
by 京男 (2015-04-07 07:15) 

kemm

俳句では「花」は桜のことを言うのですが・・
それにしてもよく調べられたようですね。
ほとんどが俳句の季語になっている言葉です。
万葉の頃は「花の兄」と言って梅が一番好まれたようです(笑)。
by kemm (2015-04-07 08:28) 

orange

桜の花。日本の文化に、日本人の心に、そして日本を知る外国の人たちのイメージとして欠かせない花ですね。
これだけ花を付ける木も珍しいと思います。
次は八重桜の季節。造幣局の通り抜けが始まります。
by orange (2015-04-07 08:59) 

シルフ

今日の写真はアートしていますね。桜の花の散る姿って好きです。
堺でチョット珍しい桜の寺を見つけて写真を撮ってきました。後日、紹介するので見に来てくださいね。
by シルフ (2015-04-07 10:18) 

馬爺

今日は朝から雨です、しかも時折激しく降りますよこれでは桜も散りますね、桜雨と花冷え画境は一緒にやってきましたね、気温11度です。
by 馬爺 (2015-04-07 12:41) 

sig

こんにちは。
すばらしい桜づくしのお話。こんなにいろいろな表現で日本人の心に沁み込んでいるんですね。花筵の写真のあれこれもすばらしいです。今年は花吹雪を撮りたかったのですが、雨に当たり、観られなくて残念でした。今日も小雨ですが、外出帰りに車の中から最後の桜並木を楽しみました。
by sig (2015-04-07 14:13) 

路渡カッパ

★すーさん、こんにちは。
あの潔さが日本の武士道に繋がるのでしょうかね?
日本のソウルフラワーですね♪

★g_gさん、ありがとうございます。
3分咲きくらいですか、これからが楽しみですね。
また全国的に花冷えだそうですから、一気には咲き出さないかもね。(^~^;

★ヒロシさん、ありがとうございます。
軍事力で威嚇し合っても、その先は・・・決して平和にはなりませんね。
お互い理解し合うことで、仲良くなれるとイイのですがね。(^_-)

★京男さん、こんにちは。
桜の花もアレルゲンになりますからね、花詰まりなんて
言葉も出来るかもしれませんね。(゚ε゜;)

★kemmさん、ありがとうございます。
はい、俄調べですが間違いは無かったでしょうか?(^_^ゞ
万葉の頃は「花」と言えば梅だったようですね。
「花の弟」は確か、菊のことでしたっけ。(^~^;

★orangeさん、ありがとうございます。
桜の木の下で、お花見って風習も日本独特?
外国人も見てるから、お行儀よくしないとね。(^_^ゞ
まだ体験したことがない造幣局の通り抜け、あの人出を見るとどうも・・・

★シルフさん、ありがとうございます。
もっとマニアックになると、シベだけのシベ桜を楽しんだり♪
堺ですか!珍しいさかい?楽しみです。(⌒-⌒)ニコニコ

★馬爺さん、ありがとうございます。
こちらもよく降りました。やっと上がったようですが、冷え込んでます。
平年並みって気候の方が珍しい今日この頃ですね。(^_^ゞ

★sigさん、こんにちは。
同じような写真ばかりになってしまいました・・・(^_^ゞ
随分撮ったのに、花吹雪は撮れず。こちらもやっと雨が上がりましたが、花冷えがキツイです。
雨が降ったらオープンカーも台無しで・・・(j_j)

by 路渡カッパ (2015-04-07 14:43) 

駅員3

良いですね〜
桜の花びらが舞い散る中を、走り抜けてみたいです(*^_^*)
by 駅員3 (2015-04-07 15:11) 

風来鶏

「阿弥陀堂だより」に、"花見百姓"という言葉が登場します。
農作業をしなければならない時期に、花見に興じて仕事をしないお百姓さん、つまり小説家の主人公を皮肉ったわけですが、そう言ったご主人に、女医の奥様は惚れたんですよね(*^^*)
by 風来鶏 (2015-04-07 19:00) 

kazenotomo

おおすごく勉強になりました!
花の世界にうっとりとした気分になっていたら
勧修寺が出てきて、急に現実に引き戻されたよ(笑)
by kazenotomo (2015-04-07 22:51) 

路渡カッパ

★駅員3さん、ありがとうございます。
M38くんならもっと開放的ですね♪
体全体で桜吹雪を受け止めながら疾駆できますね。(´ ▽ ` )ノ

★風来鶏さん、ありがとうございます。
観てないのですが、面白そうな映画ですね。
「花見百姓」って生き方もイイかも知れません、出来るものならね。(^_^ゞ
それが出来るなら私も「花見百“笑”」で行きたいものです♪

★kazenotomoさん、ありがとうございます。
読書家のマスターなら全部ご存知だったのでは?
勧修寺、桜が終われば次は初夏の睡蓮、花菖蒲ですね♪

by 路渡カッパ (2015-04-07 23:21) 

たいちさん

「花づくし」ですね、よく調べられたと感心しています。
大昔は、「花」といえば「梅」でしたが、平安時代中期以降は「桜」に変わっていったそうですね。桜は華やかですものね。我が家の愛犬は「はな」です。
by たいちさん (2015-04-08 12:59) 

ロートレー

御地では、早くも桜吹雪!
まるで雪景色を見るようです。
by ロートレー (2015-04-08 17:56) 

路渡カッパ

★たいちさん、ありがとうございます。
はなちゃん、リードと首輪は桜色でしたっけ。(^_^ゞ
梅から桜、貴族の質が変わったのかな、庶民が花見をするようになったのは江戸時代からでしたね♪

★ロートレーさん、ありがとうございます。
そう吹雪いてましたよ、花びらですが・・・
そちらはまだこれからお楽しみが待っているのでしょうね♪

by 路渡カッパ (2015-04-08 19:25) 

はなだ雲

桜の花にまつわる言葉。。
ひとつひとつに、情景が浮かびますね~
「花明かり」なんか特にありありと浮かぶナーとおもったけど
それは、東山魁夷の絵の影響でした^^
by はなだ雲 (2015-04-12 16:33) 

路渡カッパ

★はなだ雲さん、ありがとうございます。
東山魁夷、ありましたね代表作に「花明かり」って画題の絵が。
あんな写真が撮れたらな〜。(^_^ゞ
by 路渡カッパ (2015-04-12 19:23) 

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