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西国三十三所巡礼 第二十九番札所 青葉山 松尾寺 [西国三十三所巡礼]

富士なくば 富士とやいわん 若狭なる 青葉の山の 雪のあけぼの

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『青葉山 松尾寺(まつのおでら)』は、京都府舞鶴市と福井県大飯郡との境にある
若狭富士と呼ばれる標高699mの青葉山の中腹にあり、かつては七堂伽藍も整い
末寺は65、寺領は四千石にのぼっていたとか。今は小さな山寺ですが・・・

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「仁王門」
かなり傷みが激しいです。金剛力士像もお留守のようで、写真だけ。
実は修復が終わり門を入って右手の宝物殿に安置されていたようです。
いずれは戻されるのかな?

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ここも千社札だらけ、どうやって天井にまで貼るのでしょうか?
脚立か梯子を持参で?貼っている現場を目撃したことは無いのですが・・・

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「?」
これは何だったのだろ?扉には菊の御紋がありました。
このお寺、入山料も拝観料も不要ですがその分、確かパンフも無かったような。

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本堂につづく石段。

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登りつめたところに・・・

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確かに枝が落ちてきたら大事になりそう。上を見ながら・・・だと
石段踏み外しそうだし、どうすりゃ良いものやら。(/・。\)

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「一切経堂」


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「本堂」
屋根がかなり特徴的で、方形の宝形造り(ほうぎょうづくり)というものですが
二重になっており、唐破風(からはふ)が前面に出ている。
滑らかな曲線を描き、青銅色といい美しい屋根だと思います。
手前の、何て言うんだろ香炉舎とでも言うのかな?線香を立てる炉を被う屋根も
宝形造りでバランスがとれて、そのまた手前の青銅の六角燈篭も合っています。
それぞれの屋根の頂点は擬宝珠(ぎぼし)になっており、雅な感じもしますね。

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唐破風にはここも凝った木彫が施されていました。資料が欲しいなぁ!

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破風のみならず、堂の周りにも木彫が数多く見られたのですが、保存状態は
良いとは言えず勿体ない気がします。

お寺の方でしょうか、私らより年配の男性が出て来られ
「どうぞ上ってお参りください」と招き入れ、説明まで始めてくれました。
本堂内の写真も構わないと言うことで、あまり無いことに喜んで撮ったのですが
ピンボケばかりでした・・・(+_+)

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この書は「今年の漢字」で有名な清水寺貫主 森清範が此処へ来られた時に
書いていかれたものだとか、写真に撮ると「そんなもんまで撮りますか…」とな。

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拝み方まで教えてもらいました。紐はご本尊と繋がっているのだとか。
ここのご本尊は西国三十三所の寺の中で唯一「馬頭観音」を本尊としています。
秘仏で、何と77年に一度しか開帳しないのだとか・・・
確か2009年に開帳しているので、次は73年後?無理です!紐で我慢します。(^_^ゞ


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「渡り廊下」本堂側から心霊閣を見る。
本堂と心霊閣を繋ぐ「渡り廊下」、特徴的で味わいもあるのですが
老朽化のためか通行できないようです。


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ご本尊 馬頭観音に因んでお馬さんの銅像がありますが、これも・・・(゚ε゜;)

※馬頭観音(ばとうかんのん/めづかんのん):観音菩薩の変化身のひとつ。
観音様といえば普通、優しいお顔をされているがこの観音は珍しく忿怒の姿です。
衆生の無智・煩悩を排除し諸悪を馬の如く喰らい尽くしてしまうのだそうです。
このお寺では「農耕の守り仏として、或いは牛馬畜産、車馬交通 、更には
競馬に因む信仰を広くあつめている」とあります。


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「地蔵堂」?

「鐘楼」
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「??」

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「心霊閣」

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「渡り廊下」心霊閣側から本堂を見る。


ここでちょっと気になる施設を。
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「烏瑟娑摩明王殿(うすしまみょうおうでん)」
烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)とも表記される、この世の一切の汚れを
焼き尽くす炎の神様。
「烈火で不浄を清浄と化す」神力を持つことから、功徳としては便所の清めって
ことで、要するにトイレの神様?


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「手水鉢」大きな自然石をくり貫いたものです。

知る人ぞ知る?隠された名水の湧き場所がありました。
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家内がペットボトルの水を入れ替えるのに、たまたま記帳所で水道の水が飲めるか
聞いたところ、此処を教えてもらったものです。


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「弘法大師像」

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「役行者像」なんだか酷い形相に・・・

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「鐘楼」と「鳥羽天皇お手植えの銀杏(イチョウ)」

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「竹生島道」と書かれた石標と地蔵像。次の札所が竹生島だからかな?

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「鳥羽天皇お手植えの銀杏」を裏から。

ここの高札には「銀杏はジュラ紀に栄えた植物であるが、ヨーロッパや
アメリカでは3世紀末に絶滅。日本と中国だけには残った」とありました。
日本では街路樹やお寺・城でよく見かける馴染み深い樹ですが、植物学的にも
特異で、生きた化石的扱い?日本へは仏教と共に中国から来たものと思われるが
現在のヨーロッパのイチョウは長崎からケンペルにより持ち込まれたもので、
欧州、北米の各地に広まったとされているから、日本の銀杏の子孫なんですね♪


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「鎮守社」?「青葉山権現社」とでも言うのかな?
境内の右隣に鳥居と社がありました。かなり傷んでますが両部鳥居の形態をした
鳥居です。神仏習合、密教などとの関わりが伺われます。

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このお寺、思っていた以上に興味深く楽しめるところでしたが、何しろ傷みが・・・
寺宝には国宝や重文もあるのだが、建物の保存状態はちと残念です。
私には珍しくお線香を立てたり、お賽銭もいつもの10倍(穴の開いた硬貨ですが)
納めたりして、協力しておきましたよ。(^_^ゞ

また巨樹も多く、自然もたっぷり。いいお寺なんですがね・・・

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ってことで、ペンションでいただいたお昼のお弁当、ここで食べました♪


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○宗派:真言宗醍醐派 ○開基:威光上人
○御本尊:馬頭観世音菩薩 ○創建:和銅元(708)年

御詠歌「そのかみは 幾世経ぬらん 便りをば 千歳もここに まつのおでら」


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2013.5/26、松尾寺にて。
カッパのロードスター

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コメント 14

たいちさん

ここにも約15年前に行っているのですが、気付かなかった新発見がありますね。次回行く機会あれば、参考にさせていただきます。
by たいちさん (2013-06-12 23:12) 

路渡カッパ

★たいちさん、ありがとうございます。
馬の像も5年前に行かれた方の写真を見ると、ちゃんと尻尾が先までありましたよ。(^_^ゞ
保存状態は悪いですが、結構味わいのあるお寺でした。
私は成相寺よりこっちの方が気に入りました。
by 路渡カッパ (2013-06-12 23:42) 

かずのこ

西国三十三所の札所の中でも、静かなお寺ですよね。
僕も大好きなところです。 
by かずのこ (2013-06-13 00:10) 

kazenotomo

楽しく読ませてもらいました。
カッパさんの口調がおもしろかったよ。
扉に菊の御紋があるのは、勅使門だと思いますよ。
天皇家からの使いだけが使える門なので菊のご紋が
付いてるのだと思います。
ちなみに西本願寺にある勅使門も同様です。
by kazenotomo (2013-06-13 01:47) 

すー

おはようございます

立派なところですね。
信仰の大きさ、深さを感じます!
by すー (2013-06-13 04:52) 

京男

おはようございます。
お寺が傷んできていますね。
管理が大変なのでしょうね。
森貫主の書があるのですか。仲が良いのかな・・・。
by 京男 (2013-06-13 05:20) 

斗夢

馬頭観音様に無智・煩悩の政治家を排除してもらいたいですね。
千社札は天井に届くような専用の道具(棒のようなもの)があるようですよ。
千社札は困ったもんです。貼る人間は自己満足でしょうが、器物破損にならないのでしょうか。
貼ってはダメと表示しているところもありますね。
by 斗夢 (2013-06-13 07:09) 

路渡カッパ

★かずのこさん、ありがとうございます。
小さなお寺で見どころなど、あまり期待していなかったのですが
行ってみると包み込まれるようなまったり感♪
とても好きなお寺になりました。(^_-)

★kazenotomoさん、ありがとうございます。
そう、それに違いない!勅使門。ありがとうございます。
かつては天皇の加護の下、かなりの大寺院のようで、
菊の御紋もあちこちで見られました。
建物の老朽化が進み、寂れた感があるのは残念でしたが
それが味わいになっていたのかもね。(^_^ゞ

★すーさん、おはようございます。
本堂の造りなど、えっ?っと思わせてくれる
なかなか味わい深いお寺でした。
周辺のまったり感も良くて、落ち着ける環境でしたよ。(^_-)

★京男さん、おはようございます。
建物など一応、府の文化財だったりしますが、
あまり評価されていないのでしょうね。
森貫主、筆なども用意されて行かれたのでしょうね・・・^_^;

★斗夢さん、ありがとうございます。
私もそれを思いました。>諸悪を馬の如く喰らい尽くしてしまう
77年に1度の御開帳といわず、常時見張っていて欲しいものです。
千社札貼り器、高枝切りみたいなやつですね!
千社札は止めて欲しいですね。文化財であろうとお構いなしに
明らかに器物破損、景観損傷だと思うのですがね。

by 路渡カッパ (2013-06-13 09:56) 

しばちゃん2cv

僕もあのお札は不思議に思ってました。どうやって貼るのか・・・
by しばちゃん2cv (2013-06-13 22:00) 

路渡カッパ

★しばちゃん2cvさん、ありがとうございます。
どうやら棒状の専用器具があるようですよ。
簡単に剥がされないように手の届かない所に貼ろうとするのだろうか・・・
落書と何ら変らないんじゃないかな!
by 路渡カッパ (2013-06-13 23:39) 

はなだ雲

不浄を清浄と化すお役目は、他にもありそうですが
「トイレ」の神様なのですね
祀られてる場所は、タイルっぽいけど、本当のトイレですか
トイレにお賽銭箱があるんですか?
by はなだ雲 (2013-06-15 21:24) 

路渡カッパ

★はなだ雲さん、ありがとうございます。
そうなんです、モロ「トイレ」です。(^_^ゞ
男子用と女子用では額に入った神様の姿も違ったようです。
どちらにもお賽銭箱はあったようですが。
by 路渡カッパ (2013-06-15 23:02) 

sig

朽ちても、苔むしても、見るからに頭が下がりそうなお寺ですね。ありがたやありがたやと唱えながら見せていただきました。
by sig (2013-06-15 23:11) 

路渡カッパ

★sigさん、ありがたやでございます。
トイレにまで神様が居られるお寺ですから・・・
お賽銭箱もアチコチにありましたが!(^_^ゞ
by 路渡カッパ (2013-06-15 23:16) 

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